ボイトレにおいて絶対に知っておくべき呼吸法の真実




ボイストレーニングをするにあたって、まずは声を出すエンジンとなる呼吸について知りたいという方は多いのではないでしょうか。

この記事を読めば、
・歌唱時における呼吸法の種類
・ボイトレの呼吸法について必要な基礎知識
・呼吸法をどのように位置づけ、自分の歌に活かしていくべきか
という情報を知ることができます。

呼吸法はパフォーマンスの助けになりますが、間違って認識するとあなたの歌唱の上達を妨げるものにもなってしまいます。
正しく呼吸法について知り、武器にしていきましょう。

ボイトレにおいて絶対に知っておくべき呼吸法の真実

【注意!!絶対に知っておくべき真実】呼吸の方法は発声技術の能力の決定にはほとんど影響しない!?

実は、呼吸とヴォーカルにおける発声技術や歌唱力にはほとんど関係がないことが分かっています。
発声のために呼吸をするという考え自体がナンセンスといえます。

なぜなら、科学的・物理的に考えて、声はお腹からは出ないからです。

声は声帯から出る
のです。

これは「ベルカント唱法」の著者コーネリウス・L・リードや、「うたうこと」の著者フレデリック・フースラーなど、現代のヴォイスメソッドに多大な影響を与えている著名なヴォイストレーナーも同じようなことをそれぞれの著書で述べています。

さらに言えば、呼吸法を発声の為に使ってしまうと呼気圧迫を起こします。
つまり過剰な息のせいで発声に必要な喉の柔軟性を損ない、思い通りに歌うことが困難になってしまいます。

呼吸法の目的は、「歌う音ひとつひとつの自然なエネルギー源となる」ことです。
決して「吐き出す息の人為的な調節によってピッチなどを決めていく」という目的ではありません。

その証拠に、
・呼吸法に非常に秀でているのに歌が下手な人
・呼吸法の訓練はやっていないのに歌が上手な人
はたくさんいます。

これはイメージと違った方も多いのではないでしょうか。
よく初心者の方のカラオケや歌の発表会で、苦手なフレーズを、お腹を押さえて力むことで乗り越えようとするシーンが見られます。これは腹式呼吸を信奉している日本では特に多いでしょう。

残念ながらこのようなアプローチを指導をしているボイストレーナーもいまだに存在していることも事実です。
これを繰り返しても一生苦手なフレーズは根本的に克服できません。
あなたのヴォイストレーナーはあなたの声を理想の声に育てていく論理的な知識を持ち合わせているでしょうか。
「腹背筋を使ってやわらかく」など抽象的な指導しか出来ない場合、レッスンの効率が悪くなってしまう恐れがありますので、その指導力をよく見極めましょう。

フレーズで息切れを起こす原因は、呼吸法ではなく、声帯などの発声メカニズムが非効率・未熟であることです。
発声メカニズムが良好なバランスで、声帯が閉鎖し、巧みな声が作られてさえいれば呼吸が苦しくなることはありません。

声量がある人の声がなぜ大きいのかといえば、声帯が強く閉鎖し豊かに共鳴しているからです。
呼吸が多いからではありませんし、仮にそのような方法で声量を出していれば長時間の歌唱は困難でしょう。
声量を上げたいのであれば発声メカニズムに目を向けるべきです。

ボイトレを、「お腹から声を出す訓練」という認識から、「声帯や口腔等に出したい声に適した動きをさせる訓練」という認識に切り替えることで、多くの視点を得られるでしょう。

呼吸はあくまでもその「エネルギー源」です。
呼吸は歌唱力にはほとんど関係ありません。

また、呼吸をベースにボイトレのメニューを組み立てるのもリスキーです。
声帯等の発声器官を訓練し熟練してきたら、
その人が持っている自然な発声メカニズムに必要な呼吸が「結果として」エネルギーになるというのが正しい順番です。

呼吸の機能と4つの呼吸タイプ

歌唱における呼吸の機能とは、「歌声の自然なエネルギーになる」ということです。

歌唱力を決めるのはあくまで発声メカニズム(声帯などの働き)であって、呼吸はその結果のサポートです。
お腹を押さえて呼吸をたくさん送っても歌はうまくなりません。

自然で適切なエネルギーを送り、素晴らしい歌唱のサポートとなる呼吸法を身に付けることを目標としましょう。

この大切な認識を忘れずに呼吸法の種類を勉強していきましょう。
ブレスの取り方には4つのタイプがあります。

1.胸式呼吸

胸や鎖骨が動く呼吸。
このブレスでは息を吸うと肩が上がり、息を吐くと肩が下がります。
スポーツ中など息が切れているときは自然にこの呼吸になりますね。

結論から言うとこの呼吸法は歌に最も適さない方法と言えます。
なぜかというと、この方法ではブレスが過剰に吐き出されれ、声帯に負担をかける圧迫を加えてしまう可能性が非常に高いためです。

発声中に横隔膜がくぼみ、声帯の閉鎖を妨げる要因になること

もちろん表現方法としてこのようなブレスでパッションを声に乗せたいときに歌手の助けになることもあるでしょう。

ただし発声技術を向上したいという訓練の段階で積極的に選ぶべき呼吸法ではないでしょう。

 

2.腹式呼吸

聞いたことがある方がほとんどだと思いますが、腹部を用いた呼吸法です。
吸うと腹が膨らみ、吐くと腹がへこみます。

この方法の呼吸は肩や鎖骨が上下しないように注意しながら行いましょう。

この呼吸法は歌うことに適した呼吸法と言えます。

なぜならこの深いブレスが横隔膜を収縮させるからです。
お腹を動かすことが目的ではなく、横隔膜を収縮させて、ブレスを吐き出す力コントロールのサポートになること。
それが腹式呼吸のメリットとなります。

 

3.肋骨や肋間での呼吸

肋骨や肋間での呼吸です。
息を吸うとみぞおちのあたりが膨らみ、息を吐くとへこみます。

この方法でも方や鎖骨が上下せずに胸郭が吐くことの支えとなるように意識しながら行うことが重要です。

肋骨や腹式のブレスの際に胸を介させず、深く呼吸する、
このことで効率的に歌に必要なエネルギーを発電することができます。

現実的に多くの歌手は腹式呼吸とこの肋骨や肋間の当たりのサポートを(無意識に)複合的に使っていることが多いでしょう。

4.背面呼吸

腰や背面の下の方を使う呼吸法です。
腰を押さえながらブレスを取ると、多かれ少なかれそのあたりにも膨らみの動きがあることが分かると思います。

これはさらにブレスをサポートし肺活量を豊かにすることにつながります。

下半身をも支えに使って発声のサポートしていくことができます。

効率的に歌うことができる呼吸法とは

上記のブレスのうち、胸式呼吸しかバリエーションがないという方はほかの呼吸法も必要とされるシーンが多いでしょう。

効率的に歌うためには、深くブレスコントロールできる方が有利です。

これは特に、ダンスミュージックやミュージカルなど、激しい動きの中で高い歌唱力を要求されるジャンルに当てはまります。

その表現に耐えうる肺活量と、激しい運動の中でもいつも通りのブレスコントロールで高い歌唱パフォーマンスを発揮するために必ず必要となってくるスキルです。

あなたの歌唱のエネルギー源は、横隔膜に蓄えられた分の空気です。
あなたが歌いたいピッチや強弱に要求されるエネルギー源をカバーできる呼吸法を身に付けていきましょう。

 

呼吸を歌のパフォーマンスに活かすもう一つの視点

呼吸法はいわゆる魂のこもった、高い集中力のパフォーマンスをするために大きな助けになります。

ヨガや瞑想などに見られるように、呼吸法はリラックスや集中力にはかなり大きな効力を発揮します。

スポーツ選手が集中力を高めるためにルーティンを行っているのを見たことがあると思います。
あのシーンでは必ず選手独自の「息を吐く方法やリズム」があることに着目してほしいのです。

彼らのように呼吸を味方につけることで、
歌においても極限まで集中力を高め、効率的なパフォーマンスを実現する、いわゆるゾーンやフロー感覚と呼ばれる精神状態で歌うことの助けになるでしょう。

呼吸法を自分のものにすることで、
物理的な声の自然なエネルギーとなるだけでなく、
あなたの心を乗せた、魂を込めた歌唱パフォーマンスをつかさどる武器にしていきましょう。




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