歌手が克服すべきブリッジの知識




今回はヴォイストレーニングにおいてよく聞く「ブリッジ」とは何なのか、どのようにとらえれば良いのかということについてです。

この記事では、
・ブリッジとは何か
・ブリッジの攻略が歌手にとってどれだけ重要なことなのか
・ブリッジを克服ための正しいアプローチとは
ということを知ることができます。

歌手の目的は、ブレイクの小さな橋を聞き取れないほどに融合させる技術を得ることである

コーネリウス・L. リード著「ベルカント唱法」より引用

ボイトレで最も大切ともいえるブリッジについて学んでいきましょう。

ブリッジとは何か

ブリッジ(上記の画像ではブレイク、喚声点)とは歌っていて声が裏返ったり、出しにくくなる音域のことです。

具体的には声区の移行の音域となります。
ブリッジが克服できていない時は低音から高音、高音から低音など、声区が変わるときに力んでしまいスムーズに移れない、または裏返ってしまうなどの問題が生じてしまいます。

「ブリッジ」という呼び方だけでなく、「ブレイク」、「チェンジ」、
さらにベルカントのテキストでは「パッサージョ」、「喚声点」などとも呼ばれ様々な名称があります。

いずれもヴォイストレーニングに取り組んでいれば必ず出会うワードであり、最も多くの歌手にとって一番の悩みと言われています。

冒頭でもご紹介した通り、現代にも大きな影響を与える「ベルカント唱法」著者コーネリウス・L. リードは、著書の中で「歌手の目的はブレイクの小さな橋を聞き取れないほどに融合させること」であると述べています。

ブリッジの攻略が歌手にとってどれだけ重要なことなのか

ではなぜこのブリッジの克服がそれほどまでに重要なのでしょうか。
それは、歌唱力における悩みのほどんどの根本的な原因は、このブリッジが克服できていないことによるものだからです。

あなたは腹式呼吸の訓練をさんざんやらされたのに一向に声のコントロールが向上しないことに悩んでいるかもしれません。
しかし、歌唱力を決めるのは腹式呼吸ではありません。
このブレイクをいかにスムーズに発声できるかどうかが大切なのです。

参考記事:ボイトレにおいて絶対に知っておくべき呼吸法の真実

よくある例1:強い地声サウンドが出ない

これは日本の合唱部やクラシックを経験している女性に非常に多い典型的なケースです。

いわゆるファルセット=裏声ばかりをトレーニングし、地声の力強い働きがまったく引き出されていない声でいくら歌ってもバランスは整わず、特に低い音域においてコクのあるパワフルな歌唱ができません。

さらに悪いことに、この状態で無理やりパワーを発揮すると発声に非常に有害で声を痛めるケースが多々あります。
つまり優しい声で朗々と歌うこと以外の表現が出来ず、不自由なヴォーカルとなってしまいます。

必ず地声を混ぜていくことが必要です。

よくある例2:地声を無理やり張ってしまい苦しい

これは先の例とは逆で、また非常に多いケースです。

ブレイクがどこにあるかは人それぞれですが、その音域より上の音をチェストヴォイス=地声のみで発声しようとすると無理が生じ声がひっくり返ります。

裏声の力が全く働かないでいると、胸声を呼吸を増やして張り上げたり、鼻に無理に共鳴させたり、後ろからかぶせるなどの方法で乗り越えようとしてしまいます。

歌唱における高いF以上の音は、どんなに地声のように聞こえても、必ず裏声の筋肉が働いていなければ実現されません。

高音の開発には、男女ともファルセットのトレーニングが欠かせないのです。

ブリッジを克服ための正しいアプローチとは

上記のような状況を改善するために有効かつ必要なのがブリッジの克服です。

ブリッジ付近の音域をなめらかに発声し、声区を分からないほどスムーズに移行することができるようになれば、歌手として表現したい多くのことが実現できる技術にあるでしょう。

つまり、
裏声のトレーニングばかりをやらされコクのある力強い声が出なかった方は地声の強い声も出せるようになり、
地声しか使えず高音が自由に発声できない方は高音部も力むことなく柔らかく、自由に歌いこなすことができるようになるでしょう。

地声と裏声を接続(コネクト)していく

地声と裏声を行き来する曲を練習曲にして声帯が離れないように接続していきます。
低音部の声帯振動数は少なく、逆に高音部の声帯振動数は多いです。
この移行がスムーズにできないことが声がひっくり返る原因になります。

ブリッジを通過するときに

・喉頭(のどぼとけ)が下げて声を深くしすぎないようにすること
・喉頭を上げて薄っぺらい声にならないようにすること
・口を広げすぎて散らかった音にしないこと
・息をプッシュして高くなるにつ入れて声量を上げないようにすること

などを意識して取り組みましょう。
あくまでに一本の線のようなラインを保ったまま声帯を振動させていくことでブリッジをスムーズに通過できるようになります。

ブリッジの音を出す練習

ブリッジを通過するだけでなく、まさにブリッジの音を伸ばして出さなければならないシーンもあるはずです。
発声メカニズムが発達していない段階ではこのブリッジの音をしっかりと表現することに不安を抱くはずです。

この音域を克服したとき、あなたのヴォーカル技術は飛躍的にアップしていることでしょう。

ポイントとして、

・その前の音と比べて強弱がつかずしなやかに均等に自然な音色を出すことを目標とすること
・喉頭を上げる、下げるなどの動きをなるべく許さずに発声する
・舌や口の動きを許さずに口幅を狭くして制御する
・息を大量に送って声量を上げないように制御する
・裏声に抜けたり、充実感が足りない声にならないように明瞭な言葉のような声を出す
・鼻腔共鳴を利用する(鼻がビリビリ振動する感じ。軟口蓋を上げて声をずり上げることではないので注意)

などが挙げられます。

正しい順序でブリッジにアプローチし、歌唱を自由にしていきましょう。

 




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